狆は世界的に人気のある日本原産の愛玩犬の1品種です。かつては「お座敷犬」と呼ばれたように、完全に室内飼育向きの犬種で「けものへんに中」と書いて狆(ちん)と読むくらいです。今では、どの犬種でも室内で飼育するのが一般的ですが、奈良時代に現在の韓国から献上された頃には、犬は屋外にいるのが一般的で、座敷で特別に飼われていた狆は、特別な犬種だったのです。その後、交配により改良を重ね、今のような日本人好みの姿になったのです。
室内向きの狆は、性格も物静かで、落ち着きがあり、抜け毛が少なく、体臭もほとんどありません。今でも室内飼育にはありがたい犬種なのです。運動に関しても、室内で歩きまわったり、遊ぶだけで十分で、より健康に育てるために、短時間の日光浴を兼ねた散歩ができれば良い程度です。
狆を選ぶポイント
狆の子犬は、簡単に見つけることはできません。頭数も少なく、ペットショップで子犬を見かけるのは稀なことです。確実に子犬を探すには、インターネットを利用するのが一番で、狆のブリーダーからの入手になります。しかし、この場合、子犬の健康状態を詳しく知ることはできません。ブリーダーが近くにいるのでしたら、ぜひ自分の目で確かめることをおすすめします。
狆に見られがちな病気は目疾患と皮膚疾患、膝骸骨脱臼などがあります。また、鼻先がつぶれているため、スムーズな呼吸が苦手で、真夏の暑い日は、呼吸による体温調節がうまくいかず、熱中症になることもあります。特に、真夏に自動車の中に放置しておくのは絶対にいけません。